Arita 有田(1610頃ー現在)
 
 
 
 
色絵楼閣山水文皿(1690-1700年/元禄年間)
 
直径:23cm、   銘無し       
 
下南河原山、窯ノ辻窯?柿右衛門窯?
 
 
この作品は、染付け素地に上絵装飾を施した、広義の柿右衛門様式の里帰りのお皿である。
見込みには楼閣山水文が染付けの濃淡で描かれ、辺縁には色絵で鮮やかな草花が描かれている。
1650年代まで、組み物のお皿は一つ一つデザインが違う事が多いのだが、1680年代になると、多少の差異はあるものの、画一的に装飾した組み物のお皿が多くなって来る。これはおそらく仲立ち紙を用いて意匠を写し、その上に呉須でなぞって描く技法が多用された為だと思われる。これによって同じ意匠の組み物を作る事ができるようになった。
このお皿とそっくりの作品が、「柴田コレクション(Ⅰ)」作品294番に掲載されている。このお皿はパリから里帰りしたものであるが、柴田コレクションのお皿と同じ組み物であった可能性は少なからずあるだろう。
またこのお皿の裏は、全く装飾が無く、この時期の輸出用に多く見られる、所謂『裏白』である。
目跡は三箇所、小さく残っている。
これと殆ど同じ装飾、サイズの作品が、カナダのトロントにある、ガーディナー美術館(Gardiner Museum)所蔵のマクドナルドコレクション(Macdonald Collection)の中にも認められる。
 
 
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