Strasbourg Fabrique de Porcelaine(1751-1754)(1768-1784)                             

circa1773/1774−1776(Strasbourg Fabrique de Joseph Adam Hannong)                
    ストラスブールのジョセフ・アダム・アノン工場
Tasse et soucoupe
カップ・ソーサー
Peinture :Les moutons, motifs des decors d’animoux de Joseph Adam Hannong    
                  ジョセフ・アダム・アノンの動物装飾の羊
Tasse / Hauteur :      cm, Diamétre :      cm           Soucoupe / Diamétre:          cm 
               
Marques : le numéro de forme  C 28  en bleu
                   (H marque et peintre marque)
                   le numéro de forme   2612 en brun















































































































このカップ・ソーサーは、羊を主題とした牧歌的風景を描いた作品である。
ストラスブール窯の磁器の作品には、このような動物の絵の装飾がよく見られるが、特にジャン・バプティストゥーズドリー(Jean-Baptiste d’Oudry)の銅版画のモチーフ、特に彼のフォンテーヌの寓話(Les Fables de La Fontaine)を花絵と同じ様にポンシフというステンシルを用いて、この様なカップやソーサーの曲面に描き込んだ作品が有名である。イギリスのチェルシー窯などでは、この時代にイソップ物語のような動物の寓話を描いた作品が沢山制作されている。

しかしこの作品は、そういう元絵となるような銅版画を持たず、ステレオタイプな定型的な羊の装飾がなされており、言わばジョセフ・アダム・アノンのお決まりの作品と言う事もできるだろう。
カップの裏には釉薬の下に青で窯印の「H」と、「C 28」という数字が認められるが、これは1771年にジョセフが出版した販売カタログ(de Catalogue Marchand 1771)のリストにも見られる。このリストによるとC 28は、’ Tasse cylindrique arrondie par le bar ‘ 「丸みを帯びた円筒状のカップ』と記載されている。
ソーサーの裏の茶色で書かれた数字「2612」は、リストにも無く、その意味はよく分からないが、同じ様な茶色で書かれた数字が、ルードウィッヒスブルクのカップの裏にも書かれており、後の収集家、美術館などの整理番号ではないかと思われる。