Bruxelles(1787-1803)                                                         back     

circa 1787-1803

Tasse et Soucoupe : décoré de cartes à jour

Tasse

Hauteur : 6.4cm                    Diamétre :  6.4cm

Soucoupe

Hauter : 2.9cm                                  Diamétre : 13.0cm


Marques : E B (monogramme)(Etterbeek) en rouge


















































































































































































































































































































































































いわゆるCoffee Can(Straight-sided cup)に、Loop Handleのシンプルなシェイプ。
こういうシェイプは19世紀初頭前後のパリ諸窯や、スイスのニヨン(Nyon)窯などにもよく見られる。鮮やかな緑の地色に描かれたトランプ柄の装飾は、やはりこの19世紀初頭に流行した。窯印EとBのモノグラムで、ブリュッセーレ(Bruxelles)のエッテルベーク窯(Etterbeek)だと分かる。
トランプ(jours aux cartes / playing cards)の起源は諸説有るが、東洋のタロットや、エジプト起源説があり、西洋のトランプは、他の文化と同じ様にアラブ世界から派生したものと考えられる。
その後中世末期の14世紀後半、ヨーロッパでペストが猛威を振るっている時代にトランプ遊びは流行し、15世紀後半になってフランスで現在の様なスート(マーク)、スペイド、ハート、クラブ,ダイヤのスートが発明された。
キングやクラブには、絵のモデルの名前が書かれているが、マケドニアのアレクサンダー大王等、これらは歴史上、伝説上の人物で、フランスで確立されたものである。
その後バロック時代では絵画にも登場し、カラヴァッジョや、ラ・トゥールの『いかさま師』などが挙げられる。 
18世紀終わり頃には、現在の様な上下に人物像を描かれるようになった。
貴族社会で晩餐会の後、トランプで夜通し遊んだり、ヴェルサイユ宮殿のポンパドォール侯爵夫人もサロンでトランプに興じた。
磁器への装飾では、ウィーン窯の作品が最もよく知られているが、ゾルゲンタール期(1784年ー1805年)や、ビーダーマイアー期(1805年ー1864年)に制作され、オーストリア応用美術博物館(MAK)や、リヒテンシュタイン美術館(在ヴィーン)のリヒテンシュタイン公爵家のコレクションにも収蔵されている。
この作品は、地色が異なっているが、リヒテンシュタイン公爵家のコレクションにある、1819年制作のヴィーン窯製の黒地の作品に非常に良く似ている。
ソーサーの装飾の精緻さにはヴィーン窯には劣るものの、小さい窯ながら良品を制作していたと考えられる。


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