カルヴァン派の生まれたスイスは、1618年に始まる宗教戦争である三十年戦争が1648年に終結する際に、スイス連邦としてオランダと共に独立を果たした。
西部3分の1はフランス語圏で、ジュネーヴを中心にユダヤ系の金細工師や、17世紀にフランスから流入したユグノー教徒により、時計などの精密機械工業を発展させた。中央から東部の広い範囲は、ツゥーリッヒ(Zürich)を中心に、ドイツ系住民が多く、ドイツ文化の影響が強い。
ヨーロッパの磁器の世紀(18世紀)にこの国でも磁器工場が設立された。
それはツゥーリッヒ(Zürich)窯とニヨン(Nyon)窯であった。前者はスイスの中心都市に設立され、その時代をリードする素晴らしい作品を数々残した。後者は、ジュネーヴの近郊で、パリ窯の影響を強く受け、それを模倣する作品を多く制作した。