Doccia(1737-Present)
circa 1742
Tazzina con Piattino con fiori di pruno (Sollievo pruno )
梅の花のカップ・ソーサー (梅のレリーフ)
Diametro : 13cm Altezza : 2.7cm Pasta : Porcellana dura
直径 高さ 硬質磁器
Marca : Nessuna
無し
このカップ・ソーサーは、梅の樹を浮き彫りにしたシンプルな作品で、ドッチア窯最初期の、白磁の梅のレリーフのコーヒーカップ・ソーサーである。
このような梅のレリーフの作品は、17世紀の終わりから18世紀の初めにかけて、ヨーロッパに大量に輸出された、福建省の徳化(Dehua)窯の白磁を模倣したモノである。
梅のレリーフの白磁のカップは、フランス軟質磁器窯から、ドイツでは硬質磁器に成功したマイセン窯、イギリスのボウ窯と、ヨーロパ各地で模倣され、イタリアではこのドッチア窯に続いて、ナポリのカポディモンテ(Capodimonte)窯でも制作された。
またこの様な梅のレリーフのカップは、ヨーロッパ磁器のバロック時代を象徴する作品という言い方も出来る。このような東洋の模倣から、曲線や左右非対称の構図など、それまでのヨーロッパに無い、ロココ芸術が生まれていったとも考えられる。
この様な梅レリーフの作品は、同じイタリアのカポディモンテ窯では、軟質磁器で制作されているが、ドッチア窯では硬質磁器で制作されている。
ソーサーは修復が多く、レリーフ周囲のみオリジナルである。カップは底部に大きなキズがあるが、恐らく窯傷で、焼成時に生じたものと思われる。この様な欠陥にも拘わらず伝世していることからも、この時代(Experimental Period)の作品が、実験的制作であったことを物語っている。