Vicentini dal Giglio poi Sebellin a Vicenza(1788-1827?) back
circa 1790
Tazza di Té Pasta : Porcellana dure
ティーボール
Altezza : 4.0 cm Diametro : 6.7 cm
Marca : Giglio in rosso ferro
アイアンレッドで百合
このティーボールは、やや小振りのティーボールである。素地は硬質磁器で薄造りである。釉薬はテカテカした外観を呈している。形状は胴体部で、比較的急峻な強いカーヴを描いて高台に至っている。
口縁は金彩で縁取られ、その下部に花綱(Festone)をあしらった、典型的な新古典主義様式の装飾が描かれている。この幾何学的な文様は、ギリシア式雷文から来ており、元はポンペイ遺跡の壁画装飾をウェッジウッド窯が模したモノから来ていると思われる。
窯印は、高台内にアイアンレッドでブルボンリリーが描かれているが、ダブルVの刻印はこの作品には入れられていない。
このティーボールは、2007年にイギリスのディーラーから購入したものである。
ディーラーの見解では、イタリアの可能性もあるが、スタッフォードシャーの何処かではないかと言う事であった。
この窯がイギリス18世紀末の新古典様式を模している事、素地も焼成温度が低かったのか、ニューホール諸窯のハイブリッド・ハードペーストに似た様な外観を呈している事が、そういう印象に繋がったのではないかと思われる。
下記参考文献、ロカール・コレクション(Lokar collection)(Plate72)にこの作品と同じパレットのティーボウルがあるが、同じ新古典様式で、花綱装飾、葉の描き方はそっくりである。
Riferimento
① Porcellane Italiane della collezione Lokar Andreina d’Agliano et al