Real Fabbrica di Capodimote(1743-1759)

circa 1745-1750

Tazzina con fiori di pruno (Sollievo pruno )
梅の花のビーカー (梅のレリーフ)
Diametro : 7cm              Altezza : 7cm               Pasta : Porcellana tenera   
直径        高さ               軟質磁器
Marca : Giglio azzurro
    青で百合






































































































この作品は、カポディモンテ窯最初期の、白磁の梅のレリーフのビーカーである。
このような梅のレリーフの作品は、17世紀の終わりから18世紀の初めにかけて、
ヨーロパに大量に輸出された、福建省の徳化(Dehua)窯の白磁を模倣したモノである。同じ様な梅のレリーフの白磁は、フランス軟質磁器窯から、ドイツでは硬質磁器に成功したマイセン窯、イギリスのボウ窯と、ヨーロパ各地で模倣され、イタリアでもこの窯に先んじてフィレンツェのドッチア(Doccia)窯で制作された。
(当ギャラリーで、ドッチア(Doocia)窯のカップを掲載しています。)
またこの様な梅のレリーフのカップは、ヨーロッパ磁器のバロック時代を象徴する作品という言い方も出来る。17世紀に流入した東洋美術の模倣から、18世紀のロココ芸術が生まれたとも考えられる。

この様な梅のレリーフの作品は、同じイタリアのドッチア窯では硬質磁器で制作されたが、この窯では軟質磁器で制作されている。
外観的には、カポディモンテ窯の方がレリーフの輪郭が鋭く、ドッチア窯ではややレリーフの立ち上がりが鈍角である。

一般に磁器の焼成に成功しただけの段階では、まだ染付けの顔料は勿論、上絵付けの顔料も未完成であり、この作品のような、梅の花や枝を成型時に貼付ける装飾は、当時非常に取り組み易かったと思われる。

最初期のカポディモンテ窯の素地は、フリット磁器であるが、非常に薄く、透光性が不均一で、同じフリット磁器のイギリスのチェルシー窯のような所謂ムーン(Moon)が認められる。またこの作品では不純物が多く、外観は一見プラスティックの様な質感がある。
更に轆轤目がハッキリと確認でき、轆轤成形していたことを推し量ることができる。

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