Vincennes(1738-1756) back
Circa 1754-1755
Tasse Hébert et soucoupe , blue céleste Pâte : Porcelaine tendre
ブルー・セレストのカップと受け皿 素地 軟質磁器
Peinture : de fleurs en
絵付け 花絵
Tasse / Hauteur : 6.5 cm, Diamétre : 9.5 cm Soucoupe / Diamétre: 13.5cm
Lettre date : B en bleu / 1755
Marques paintes : ‘ T sous point ‘ en blue / François Binet (1750-1775)
Marques paintes : ‘ L ‘ en blue / Denis Levé (1754-1793)
Marques en creux : square (1749-1750)
deux ligne parallèles (1748-1749)
この典型的なロココ様式の洋梨型のカップは、1752年の10月にヴァンセンヌ窯から始まり、セーヴル窯の初期でも制作された、エベール(Hebert)型と呼ばれるカップである。
カップの胴部のふくよかな曲線は、洋梨を連想させ、典型的なクロスするスクロールハンドルは、木の幹の様な装飾が金彩で施され、まさにロココ様式の優美さを表現している。
グラウンドカラーは、ブリュ・セレスト( blue céleste)、空の色であり、科学者ジャン・エロー(Jean Hellor)が1753年に開発したモノで、ルイ15世のディナーサーヴィスに使用され、ブリュ・ド・ロア(Blue du Roi)「王の青」とも呼ばれているものである。
またこのブリュ・セレストは、1755年に改良され、より鮮やかでムラの無いモノになっている。
カップの絵付け師はフランソワ・ビネ( François Binet (1750-1775))、受け皿の絵付け師は
ドゥニ・ルヴィ( Denis Levé (1754-1793))。いずれもフラワーペインターである。
また素地自体にも職人のマークが入れられる。これは型師(Moulder)らが自分の仕事である印 に刻むモノで、あくまでも管理者の品質管理の為に入れる事が義務付けられている。この作品では、正方形 (1748-1749) 、平行線 (1748-1749)が刻まれており、それぞれ制作年が分かっている。この様なカップと受け皿の場合、受け皿側に入らない事もある。