Nymphenburg Manufaktur(1747-heute)
um 1790-1795
Tasse mit Untertasse
カップ・ソーサー
Holz-façon mit Landschaften und Blatt(Trompe-L’œil)
木の外観と、風景画と葉の装飾(トロンプ・ライユ/騙し絵)
Tasse/ Durchmesser : cm Höhe : cm
Untertasse/ Durchmesser : cm
Marke Presmarke : Rautenschild
このカップ・ソーサーは、典型的なトロンプ・ライユ(騙し絵)の作品である。
木目を模したバックグラウンドに、当時の銅版画が貼り付けてある所を模倣している。
銅版画はシュヴァアツロット(Schwarzlot)と言われる黒の単色画で描かれている。
古びた銅版画の下部には、サインなどが入る場合もあるが、作品のペインターではなく、銅版画の制作者の名前であったり、全くのパロディの名前が入る事が多い。
この作品にはそのサインは無い。
ソーサーの辺縁、カップの上部には、新古典様式を思わせる葉綱の装飾がされている。
多くのこの木目装飾作品ではそういう葉の装飾は無く、シンプルに金彩で縁取られている。本作品ではカップの形状は円筒状で、ハンドルの形状は’ AbgebrochenVierkanthenkel ‘ ブロウクン・スクウェア・ハンドルで、18世紀末から19世紀の初めに多いハンドルである。
この騙し絵の装飾は、フランス語では ‘ décor bois ‘ デコール・ブワや、 ‘ faux bois ‘ フォ・ブワと言われている。ニンフェンブアク窯が最初に1760年頃から制作したと考えられている。またこのような装飾は、ヴィーン窯でも制作され、また多くの窯で模倣された。1795年にはバイエルンでのこの「木目調のデザインを禁止する」詔勅が出されたが、19世紀には絶大な人気があり、ドイツ中の窯で制作され、余り効果は無かった。
筆者はヴィーンのドロテウム・オークションで、チェコのピルケンハンマーのこのパターンのコーヒーセットを見た事があるが、かなり木目も大きくラフな装飾であった。やはりこのパターンで秀逸なのは、ニンフェンブアク窯とヴィーン窯の作品ではないかと思われる。
但しヴィーン窯では、19世紀の贋作も多く注意が必要である。
Referenz
Nymphenburger Porzellan / Sammlung Bäuml Bäuml Collection by Alfred Ziffer
The Viennese Porcelain / Cups and Saucers by Veljko Marton