Berlin / Königliche Manufaktur Berin (1763-Heute) back
um 1763
Figur / Mädchen mit Lämmchen.(Als Allegorie des Frühling)
子羊と少女(春のアレゴリー)
Vier Kinder Als Yahreszeiten
季節のアレゴリーを表す4人の子供
Modelliert von Friedrich Elias Meyer
フリートリッヒ・エリアス・マイアー
(Modelle der Gotzkowsky Zeit)
ゴツコフスキー時代のモデル:
Höhe:11.0cm
Marke: Zepter Marke unterglasur blau
青の釉下彩で王笏
15 und V Rizzeichen
刻印で15とV
子供が子羊を抱えている。横から見ると、髪を束ねていることより、少女だと分かる。三角形の台座は、ベアリン窯に多く、この特徴はカスパー・ヴェゲリー(Casper
Wegely)の時代には見られず、ゴツコフスキー(Gotzkowsky)の時代から見られる。
恐らく七年戦争で、フリードリッヒ大王がマイセン窯から連れて来た、フリートリッヒ・エリアス・マイアー(Friedrich Elias Meyer)の影響が考えられる。
彼のロココ美術に対する感性は、くねらせた身体の曲線の表現や、このロココ風の台座等に反影している。
このフィグア(Figur)は、1761年から1763年の間に彼によって制作されたモウルドから造られているが、フリートリッヒ大王(Friedrich II)が買い取った後の、ベアリン窯(KPM Berlin)の染め付けの王笏の窯印が入っている。
また15とVの刻印が入れられているが、KPM Berlinのモデルブック(Das Modellbuch)に依ると、ゴツコフスキー時代のモウルド(Modelle der Gotzkowsky-Zeit )の所に、
△15 Ein Figürchen, Ein Mädchen mit einem Lämmchenとある。
△は台座の形で、15は型番だと分かる。1763年から数年間は、ゴツコフスキーのモウルドが流用されていた事が分かる。勿論彼は引き続き原型師主任に就いて制作を継続する。
またこの作品は、四季のアレゴリーの中の一つで、春のアレゴリーに当たる。
ドイツでは未だにケルト文化の影響が残り、ケルトの季節の祭りで、冬至と春分の
中間の日である、2月1日に行われるインボルク(Imbolg)というお祭りが有る。
日本の立春のように、春の訪れを祝う。
インボルクとは、「羊の乳」を意味するケルト系の言葉で、この時期に子羊が生まれ、人々は祝宴を開く。
この春のアレゴリーは、ヨーロッパの多くの国で残る,ケルト時代の習慣を表しているのだろう。
ベアリン窯でこのモチーフが春のアレゴリーの原型として制作されているのは、ゴツコフスキーの原型のモノだけである。