Sevres(1756-Present) back
Circa1762
Gobelet ‘Hébert’ et soucoupe ‘Hébert’ Pâte : Porcelaine tendre
カップ『エベール』とソーサー『エベール』 素地 軟質磁器
Peinture : Décoration mosaïc et Peiture de fleurs
絵付け:モザイク装飾と花の絵
Gobelet / Hauteur : 6.5 cm, Diamétre : 8.0 cm
カップ/ 高さ 直径
Soucoupe / Diamétre: 13.5 cm
皿/ 直径
Marques peintes : Apostrophe (Chareles-Louis Méreaud)
絵付け師のマーク:アポストロフィ(シャルル・ルイ・メロー)
Lettre date : J en bleu / 1762
製作年代:青でJ
Marques en creux : 3
この典型的なロココ様式の洋梨型のカップは、1752年の10月にヴァンセンヌ窯から始まり、セーヴル窯の初期でも制作された、エベール(Hebert)型と呼ばれるカップである。
カップの胴部のふくよかな曲線は、洋梨を連想させ、典型的なクロスするスクロールハンドルは、木の幹の様な装飾が金彩で施され、まさにロココ様式の優美さを表現している。
しかしこのカップ・ソーサーの見所はやはり、斬新なモザイク装飾であろう。
そしてこの作品ではモザイク装飾の間に端正な花絵が描かれている。
この作品のペインターのマークは『アポストロフィ』(Apostrophe)である。
したがってこの作品の絵付け師はシャルル・ルイ・メロー(Charles-Louis Méreaud)
若いメロー(jeune Méreaud )で、彼な花絵の絵付け師である。
セーヴル窯の後援者であるポンパドゥール公爵夫人は 、1760年にこのモザイクパターンで、鳥の絵のディナーセットを、 七年戦争に際して中立維持を求めていたプファルツ選帝侯のカール・テオドアに贈っている。
この作品は、優美なロココ作品でありながら、斬新さも兼ね備えている。この時代にロココを主導した、ポンパドォール侯爵夫人の真骨頂と言えるのではないだろうか。