Sevres(1756-Present) back
Circa1757-1766
Buiscuit Figurine ‘Le Joueur de Musette’ Pâte : Porcelaine tendre
ビスクの小彫像「ミュゼット奏者」 素地 軟質磁器
Modeleur : Pierre Blondeau (1752)
原型師: ピエール・ブロンドゥ
Hauteur : 23.0 cm
高さ
Marques : ‘F’ en creux pour Falconet
マーク ファルコネのFの刻印
ミュゼット(フランスの地方の民族楽器で一種のバグパイプ)を少年が演奏している。18世紀のフランス貴族社会では、ミュゼットは農民の演奏する代表的な楽器であった。この小彫像は、フランソワ・ルモワーヌ(François Lemoyne)(1688-1737)の弟子であるフランソワ・ブーシェ(François Boucher)の絵を、ピエール・ブロンドゥ(Pierre Blondeau)が3次元にして原型を作ったものと考えられる。
「F」の刻印は、この作品がファルコネが彫刻部門の監督であった時期(1757-1766)に制作された事を表している。
ブーシェは、1701年に絵画と彫刻の王立アカデミー入りを果たした。彼は神話的、宗教的な風景や、子供の絵を牧歌的に描き、1736年からはボーヴェ(Beauvais)のタペストリー工場に下絵を提供していた。ヴァンセンヌやセーヴル窯は、少なくとも1747年には彼の銅版画から彫像を制作しており、特に子供の小彫像は、1749年より制作されている。
この様な小彫像は、デザートのテーブルの中央に置かれたり、書斎のマントルピースの上に置かれることもあった。その後に観劇する登場人物が飾られたり、デザートの席での話題作りに利用された。
実はこの「ミュゼット奏者」は、前身のヴァンセンヌ窯でも制作されている。
ヴァンセンヌ時代のものは釉薬が掛けられ、青の上絵装飾を施されてあるものもある。この時代は監督のイニシャルは入れられず、ノーマークである。
造形的にはセーヴル時代のものの方が秀でている。
この作品の様に、1752年を境に装飾監督ジャン・ジャック・バシェリー(Jean-Jacques Bachelier)の下に、フィギュリーヌは全て無釉のビスクイで制作されている。